パワーアシストスーツは、各社大学や建設会社との共同開発を進めています。ここでは各社大学や建設会社との共同開発を進めている6社を紹介し、研究内容やその特徴をまとめました。
建設業界に適したパワーアシストスーツを得意とするメーカーは、実はまだそれほど多くありません。建設業界での作業や動作をアシストする機能に特化した製品については現在研究開発が進められている段階です。
こういった研究は、メーカーだけでなく大学などの研究施設、そして建設業界の企業などが現在取り組んでいます。共同開発も進められており、一層優れた製品の開発・供給に期待がかかります。

フルハーネスジョイントタイプは、清水建設との共同開発で生まれた製品。金沢大学でその効果の検証が行われています。現場作業員に着用が義務づけられているフルハーネスと一体化した製品で、フルハーネスの機能を妨げずに腰の負担を和らげることができます。
人工工学に基づいた製品開発がされており、様々な作業姿勢に効果を発揮するだけでなく、作業姿勢を良い姿勢に導いてくれる効果があります。
10kgの荷物を床からテーブルに持ち上げる動作測定
サポートジャケット装着時改善される体幹前傾角度
7.8度~9.7度減少(瞬間的な負荷圧力の負担が6.3~8.1kg減少)
同じ作業を100回5日間繰り返した場合の腰椎椎間板への圧力減少効果
6,300~8,100kg(6~8トン)減少
※頻繁な作業ほど圧力減少効果の期待大

CYBERDYNEは筑波大学のベンチャーで、現在もつくばに拠点を置き開発を行っています。
生体電位信号を読み取って、装着している人物の意思を読み取り、それに沿った動作のアシストを自動でしてくれるという製品。アクティブタイプですが軽量で、女性や高齢者でも負担を感じずに装着・使用することができます。
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イノフィスは東京理科大学発のベンチャー企業ということもあり、その研究開発の原点は大学の研究室にあります。伊藤忠テクノソリューションズやソラコムといった民間企業との共同開発も行っている企業です。
最大補助力27kgというパワフルなアシストが得られる製品でありながら、パッシブで電気は不要。背負って締めるだけの簡単装着システムで、装着時でも歩きやすいというメリットがあります。
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パワーアシストインターナショナルは和歌山大学で研究したパワーアシストスーツを製造販売している会社です。
その主力商品であるPAIS-M100は、電動モータで筋力をサポート。持ち上げ時には10~15kgの腰のアシストを、持ち下げ時にはブレーキアシストをするなど、さまざまな姿勢に合わせたサポートが可能です。
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アトリエケーは、自社製品の効果測定を兵庫県立大学に依頼。パネの力で筋力をアシストしてくれる製品で、主に中腰での作業をサポートし腰痛対策として役立つアシストスーツです。背面を強力なスプリングが覆っており、これが腰をしっかりとサポートする仕組みになっています。
効果測定では、若年男性がアグリパワースーツを着用した状態で重量物を持ち上げる試験を実施。持ち上げ時の運動強度は装着時に低くなっており、アグリパワースーツにサポート効果があることを実証しました。

スマートサポートが開発したスマートスーツは、北海道大学、苫小牧高専、そして大成建設による共同研究から生まれた製品です。大成建設のモデル作業所にスマートスーツを試験導入し、機能検証をしながらその効果を広めていくことを目的としています。
スマートスーツは非電動型で、ゴムの力だけで背筋をサポートし、体幹を支えることで腰痛を予防する仕組み。アシスト力を敢えて強化せず、作業である程度自分の体力を使うようにし、筋力が衰えないように工夫されていることもポイントです。
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パワーアシストスーツは建設会社との共同研究が行われていたり、そもそもメーカーが大学発のベンチャー企業だったりすることで、先進的な研究開発が日夜進められている製品です。
各社で新しい技術をもって製品を開発したり、効果測定を大学に依頼したりしていることがわかりました。それぞれに製品の特徴が異なり、個性的な製品の中から自社の現場に合うものを選ぶことが求められます。
このサイトでは、現場の特色に適したパワーアシストスーツの選び方ガイドを掲載しています。パワーアシストスーツ選びの参考に、ぜひこちらもご一読ください。
国土交通省でも現場検証事例を掲載してくれていますが、実際に導入されたかどうかは別の話。
そこで、「各建設現場で導入された実績を持つ」信頼のおける3つの製品をピックアップ(※1)して紹介します。

フルハーネス併用可能で、足場現場への導入事例もあり。3社の製品中
一番薄型(※2)で作業の邪魔知らず。大学との共同研究“正しい姿勢を創り腰痛対策”する特許機能はメーカー唯一(※3)。

防塵防水性能IP56を誇る。
-30℃~50℃でも耐えられる耐久力&パッシブタイプなので細かい埃が入っても動作不良の心配なし。
事例のある3社の製品中一番軽量(※2)。

生体電位信号を読み取って5段階のモード切替で適切アシスト。
事例がある3社のアクティブタイプの中でも一番切り替え幅が大きい(※2)。資材工場部門への導入事例もあり。
【備考】
(※1)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていたのはこの3社のみでした。建設業の事例として写真掲載のみの場合は、本当の導入事例かどうか判別がつかなかったので対象外としています。
・(ユーピーアール)BB-FIT フルハーネスジョイントタイプ:足場を伴うような高所作業はフルハーネス着用が義務付けられています。3メーカーの中でも、フルハーネス着用のタイプで一番薄型で狭い場所や資材の多い場所でも邪魔にならないタイプ&足場工事の事例あったため「足場の狭い現場」向けにおすすめしています。
・(イノフィス)マッスルスーツExo-Power:3メーカーの製品の中でも、動作不良が起こりにくいパッシブタイプで、防水性能や耐久性が記載してあったため「土埃や気温差激しい現場」向けにおすすめしています。
・(CYBERDYNE)HAL-LB03-SSSJP:3メーカーのアクティブタイプの製品の中でも作業に合わせられる切り替え幅が一番多く、資材工場への導入事例があったので「老若男女が作業する資材工場」向けにおすすめしています。
(※2)2024年5月30日調査時点
(※3)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていた3社の中で唯一