アシストスーツを導入する際に注意しておきたいポイント、正しく理解しておきたい点をまとめました。ここで解説した点に気をつけながら製品を選び、少ない負担で効率よく働ける現場づくりを目指しましょう。
アシストスーツは、電動でアシストするアクティブタイプと非電動のパッシブタイプの2種類に分かれます。
アクティブタイプはセンサーやモーターを搭載しています。センサーが人間の動作を検知し、持ち上げ動作の体勢や中腰作業の体勢のときにモーターを駆動させ、腰や足、腕などの筋肉のはたらきをサポートします。
一方、パッシブタイプは姿勢を矯正したり、少ない力で作業ができるようにサポートしてくれたりするもの。身体に負担の少ない姿勢をつくってくれたりするので、電動部品がなくても筋力をサポートし、疲れやケガを防いでくれます。
アシストスーツの間違った理解として多いのが、「筋力をパワーアップさせてくれる」というもの。アシストスーツは、着用しても本来の筋力以上のものが出るわけではありません。今まで行っていた動作や作業を、少ない負担、少ない筋力でできるようにしてくれるものです。
ものすごい力が出るようになるのではなく、着用している人の身体の負担を少なくしてケガや疲れを防ぐものだということを理解しておきましょう。
作業員にアシストスーツを使ってもらい、浸透させるためにはどんなところに気をつけたらいいでしょうか。
アシストスーツを着ると暑いのではないか、締め付けなどで窮屈なのではないか、と感じて着用を避けられてしまうことがあります。最近の製品は装着感を工夫してつくられており、通気性にも優れています。長時間装着していても不快感が少ないものがつくられているので、そういった製品を選んで着用してもらうとよいでしょう。
アシストスーツを着ていると、かえって動きにくくて作業に支障が出るのではないか、という不安を感じる作業員もいると思います。
たしかに、アシストスーツは同じ場所での繰り返し動作や、荷物の上げ下ろしなどに適したもの。作業中の移動距離が長かったり、階段の上り下りなどがあるとアシストスーツが邪魔に感じることもあるでしょう。
アシストスーツが効果を発揮する作業や現場を選び、動きにくさを感じなくて済むところで使うようにすれば問題ありません。

石や土、コンクリートなどの重量物を運んだり、機械が入れない場所の掘削やコンクリート流し込みを中腰でやるなど、腰に負担の大きい現場で、日々の業務の疲労感が残ってしまう状況でした。
サポートジャケットを導入してからは、特に腰に負担のかかる姿勢での作業で効果を実感しています。今までは身体の負担を考えて途中で切り上げていた作業も、サポートジャケットがあるとプラスアルファで続けられるようになっています。

足場資材の上げ下げや運搬で腰が辛く感じていました。作業中はフルハーネスの着用が必要ですが、そのフルハーネス自体が重くて負担に感じる面も。
しかしフルハーネスと一体型になっているアシストスーツを着用することで、前かがみや中腰の姿勢のときの腰の負担が軽減されました。また正しい姿勢で作業できるように矯正されるので、身体がラクに感じています。

高齢の技能者に長く働いてもらうため、また若年層の筋力不足の対策のためにアシストスーツを導入しました。作業中にぎっくり腰になってしまった作業員は、アシストスーツを使うと腰が守られている感じがして不安が軽減され、作業の効率がよくなったと言っています。
またアシストスーツの導入で現場の改善の取組が認められ、工事成績評定で高得点を得ることができました。
参照元:イノフィス公式サイト https://musclesuit.co.jp/blog/3093/
現場の人手不足、高齢化のため、作業負荷軽減や効率化が急務となっていました。作業員へのアシストスーツの浸透のためにワークショップなども開催し、装着を体験したりしながら導入し、また実際に使用した作業員のフィードバックを受けて改善しながら導入を進めました。
作業員からは、毎日かなり腰に負担がかかっていて仕事が終わったらくたくたになっていたのが、装着後は姿勢がよくなって体の疲れがあまり感じなくなった、これがなかったら仕事を長く続けるのは難しいだろうという声が上がっています。
このように、パワーアシストスーツを導入することで、現場で働く作業員の負担が軽減されていることがわかります。これらは、現場の特色に合った製品を選ぶことでより高い効果が期待できるのです。このサイトでは、現場の特色ごとに適したパワーアシストスーツを紹介する特集を組みました。そちらも合わせてぜひ参考にしてみてください。
アシストスーツは筋力を増強させるものではなく、少ない負担で作業ができるようにするもの。導入することによって疲れや痛みを防ぎ、健康を守りながら効率のよい作業ができるようにしてくれるものです。さまざまな会社でその効果が実感されており、建設業をはじめこれからも導入が進んでいくことでしょう。
国土交通省でも現場検証事例を掲載してくれていますが、実際に導入されたかどうかは別の話。
そこで、「各建設現場で導入された実績を持つ」信頼のおける3つの製品をピックアップ(※1)して紹介します。

フルハーネス併用可能で、足場現場への導入事例もあり。3社の製品中
一番薄型(※2)で作業の邪魔知らず。大学との共同研究“正しい姿勢を創り腰痛対策”する特許機能はメーカー唯一(※3)。

防塵防水性能IP56を誇る。
-30℃~50℃でも耐えられる耐久力&パッシブタイプなので細かい埃が入っても動作不良の心配なし。
事例のある3社の製品中一番軽量(※2)。

生体電位信号を読み取って5段階のモード切替で適切アシスト。
事例がある3社のアクティブタイプの中でも一番切り替え幅が大きい(※2)。資材工場部門への導入事例もあり。
【備考】
(※1)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていたのはこの3社のみでした。建設業の事例として写真掲載のみの場合は、本当の導入事例かどうか判別がつかなかったので対象外としています。
・(ユーピーアール)BB-FIT フルハーネスジョイントタイプ:足場を伴うような高所作業はフルハーネス着用が義務付けられています。3メーカーの中でも、フルハーネス着用のタイプで一番薄型で狭い場所や資材の多い場所でも邪魔にならないタイプ&足場工事の事例あったため「足場の狭い現場」向けにおすすめしています。
・(イノフィス)マッスルスーツExo-Power:3メーカーの製品の中でも、動作不良が起こりにくいパッシブタイプで、防水性能や耐久性が記載してあったため「土埃や気温差激しい現場」向けにおすすめしています。
・(CYBERDYNE)HAL-LB03-SSSJP:3メーカーのアクティブタイプの製品の中でも作業に合わせられる切り替え幅が一番多く、資材工場への導入事例があったので「老若男女が作業する資材工場」向けにおすすめしています。
(※2)2024年5月30日調査時点
(※3)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていた3社の中で唯一