ニーズがあるものの、まだ建設業界には浸透していないパワーアシストスーツ。実際に建設現場に導入した事例を交え、その効果を検討していきます。
介護業界をはじめ、さまざまな業界・業種で導入が進んでいるパワーアシストスーツ。建設業界でもその効果に期待が寄せられているものの、実はまだ建設現場に適した製品を得意とするメーカーは少ないのです。建設現場にパワーアシストスーツを導入するにあたって、限られた選択肢の中でどのように製品やメーカーを選んだらいいのでしょうか。
パワーアシストスーツのメーカー選びの参考として、ここでは実際の導入事例をご紹介したいと思います。

直立、前傾、中腰、しゃがみなど、様々な姿勢でサポート力を発揮できる製品。第二の背骨と言われる部分が、背骨と腰を適切な姿勢に誘導してくれるので負担を軽減してくれます。
足場資材の持ち上げや持ち下げ、運搬のときに腰への負担が大きく、作業員が辛く感じていました。また作業にあたってはフルハーネスの着用が必要ですが、それ自体が重くてさらに負担になっていたという状況でした。
フルハーネスと一体化したアシストスーツを導入してからは、前かがみや中腰の姿勢がサポートされるようになり、腰にかかる負担が少なくなりました。またアシストスーツが正しい姿勢に導いてくれることで、体が楽になりました。
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左右のモーターが腰の角度に合わせてサポートしてくれる製品です。わずか3.4kgという軽さで作業の妨げになりにくいのが特徴。起き上がり補助、前屈姿勢補助、歩行モードという3つのモードがあり、自動で切り替えてくれるので操作の手間なく快適業を助けてくれます。
トンネル内での25kgのセメント運搬はかなりの重労働。人員不足も相まって、労働環境改善のためにアシストスーツを導入。実際装着した作業員からは、「腰が断然楽になった。」「作業後の痛みや疲れがかなり軽減された。」「アシストスーツ自体が軽く、着心地が良いため装着時の違和感もなく、長時間の作業でも暑さや負担を感じなかった。」という嬉しい声が上がるようになったということです。
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電気を使わず、空気圧を活用した人工筋肉型のパワーアシストスーツ。人工筋肉に加えてバネの力を利用することで、よりしっかりとサポートできるようになりました。背負ってベルトを締めるだけという簡単な装着動作で、パワフルなサポート力があります。
業界特有の人手不足もあり、高齢の従業員に長く働いてもらうにはどうすればよいのかが長年の課題でした。パワーアシストスーツを導入した決め手は、現場にコンプレッサーを持ち込む必要がなく維持費がかからないこと、持ち運びやすく修理も簡単、カバーも洗濯できること。
作業負担を大幅に軽減でき、作業者の健康を守れるようになりました。
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整体電位信号と姿勢、関節角度などの情報を瞬時に処理して、タイミングを合わせてパワーユニットを駆動させることができるパワーアシストスーツです。自分の体の一部のような感覚で動作するので、作業の妨げになりにくいのも特徴です。
女性や高齢者などが働きやすい職場づくりを進めるために、パワーアシストスーツを全国工場に導入しました。
熟練作業員は、HALがないと仕事を長く続けるのが難しいと感じるようになり、HALが高齢労働者のサポートに貢献していることがわかります。
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このように、各社の製品はそれぞれ特徴があり、現場の状況やニーズに合わせた製品を選ぶことが大切です。建設業界で実際に採用されているこれらの製品を扱う3メーカーについて、さらに詳しくご紹介するページもご用意しました。ぜひパワーアシストスーツ選びの参考にご一読ください。
引用:国土交通省公式サイト https://www.mlit.go.jp/report/press/content/001609705.pdf
まだまだパワーアシストスーツが浸透していない建設業界ですが、導入事例を見るとやはり身体への負担が小さく、作業効率が上がっていることがわかります。
さまざまなタイプの製品が開発されているので、現場の特色や作業の内容に合わせて製品を選ぶことでより高い効果が得られるパワーアシストスーツ。必要な機能やスペックを理解して、適切な製品を導入したいものです。
国土交通省でも現場検証事例を掲載してくれていますが、実際に導入されたかどうかは別の話。
そこで、「各建設現場で導入された実績を持つ」信頼のおける3つの製品をピックアップ(※1)して紹介します。

フルハーネス併用可能で、足場現場への導入事例もあり。3社の製品中
一番薄型(※2)で作業の邪魔知らず。大学との共同研究“正しい姿勢を創り腰痛対策”する特許機能はメーカー唯一(※3)。

防塵防水性能IP56を誇る。
-30℃~50℃でも耐えられる耐久力&パッシブタイプなので細かい埃が入っても動作不良の心配なし。
事例のある3社の製品中一番軽量(※2)。

生体電位信号を読み取って5段階のモード切替で適切アシスト。
事例がある3社のアクティブタイプの中でも一番切り替え幅が大きい(※2)。資材工場部門への導入事例もあり。
【備考】
(※1)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていたのはこの3社のみでした。建設業の事例として写真掲載のみの場合は、本当の導入事例かどうか判別がつかなかったので対象外としています。
・(ユーピーアール)BB-FIT フルハーネスジョイントタイプ:足場を伴うような高所作業はフルハーネス着用が義務付けられています。3メーカーの中でも、フルハーネス着用のタイプで一番薄型で狭い場所や資材の多い場所でも邪魔にならないタイプ&足場工事の事例あったため「足場の狭い現場」向けにおすすめしています。
・(イノフィス)マッスルスーツExo-Power:3メーカーの製品の中でも、動作不良が起こりにくいパッシブタイプで、防水性能や耐久性が記載してあったため「土埃や気温差激しい現場」向けにおすすめしています。
・(CYBERDYNE)HAL-LB03-SSSJP:3メーカーのアクティブタイプの製品の中でも作業に合わせられる切り替え幅が一番多く、資材工場への導入事例があったので「老若男女が作業する資材工場」向けにおすすめしています。
(※2)2024年5月30日調査時点
(※3)2024年5月30日時点、「パワーアシストスーツ 建設業」とGoogle検索でヒットした14のメーカーの内、建設業への導入事例がHPで掲載されていた3社の中で唯一